江東区東砂7-19-6 みやた小児歯科・矯正歯科
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小児歯科とは 乳歯のQ&A

1.歯はいつ頃生えますか?  
 赤ちゃんの歯は、生後6~8ヵ月頃に下の前歯から生え始めます。赤ちゃんの歯ぐきから顔を出した白い歯は、かわいくて保護者の方にとっても赤ちゃんの成長を実感できる瞬間です。でも、乳歯の生える時期や順番には、かなり個人差があります。歯の生え方が遅いと心配される方も多いですが、1歳のお誕生日までに前歯が数本生えていれば問題ありません。
 乳歯は2歳6ヵ月から3歳頃までに上下あわせて20本生えます。しかし、歯の数が足りないこと(先天性欠如)や2本の歯がくっついて1本の歯(癒合歯(ゆごうし))が生えてくることがあります。癒合歯は、歯の重なっている溝のところがむし歯になりやすいため注意が必要です。さらに後続の永久歯がどちらかないことが多く、歯並びやかみ合わせにも影響するため、時期をみてレントゲン写真をとってもらうと良いでしょう。 参考文献:『少子社会における小児期の口腔健康管理』より
2.歯みがきはいつから始めるの?
 歯みがきの準備は、乳歯の生えるまえから始まっています。この時期の赤ちゃんは、顔や口のまわりが最も敏感なところですが、きれいな指で口のまわりや歯ぐきをさわってあげて、少しずつさわられるのに慣れさせていくと良いでしょう。
 乳歯が生えてきたら、離乳食後にガーゼでみがくことから始め、慣れてきたら歯ブラシを使って歯ブラシの感触に慣れさせていくことが大切です。このとき、保護者のひざの上に仰向けに寝かせてみがく「寝かせみがき」をすすめています。頭が固定されて、お口の中が見やすくなります。寝るのを嫌がるようであれば、授乳するときのような抱っこの体勢でみがくと良いでしょう。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く持ち、やさしく前後にみがくようにします。
 1歳のお誕生日をむかえる頃までには、1日1回できればおやすみ前の歯みがきを習慣化してほしいと思います。
3.仕上げみがきのコツは?
 仕上げみがきは、子どもを仰向けに寝かせて、歯ブラシを軽い力で細かく動かしてみがきます。みがく順番を決めておくと、みがき残しがなくなり手際よくみがけます。
 とくにむし歯になりやすい①歯と歯の間②奥歯のみぞ③歯と歯ぐきの境目のところは、注意してみがきましょう。うえの前歯は、上唇小帯(上唇についているヒダ)が発達しているため特に敏感なところです。上唇小帯を人差し指で軽く押さえて、よけてみがくのがコツです。前歯の裏側は、歯ブラシをたてにして、かき出すようにみがきます。奥歯は、人差し指で頬を広げるとよく見えます。
 歯ブラシは、すみずみまで届くようにヘッドが小さいものを選び、本人が使う歯ブラシはかみかみして、すぐに毛先が開いてしまうため、仕上げみがき用に別にもう一本用意しておくとよいでしょう。
 おやすみ前にできるだけ楽しい雰囲気で、上手にできたらたくさんほめてあげましょう!子どもがひとりで上手に歯みがきできるようになるまでは、保護者の方の仕上げみがきが必要です。
4.母乳はむし歯になりやすいの?
 母乳は赤ちゃんにとって栄養学的、免疫学的にも優れており、そして精神的にも母子関係を育むうえで重要なものです。離乳は、離乳食を進めながら自然にやめられるのが理想ですが、夜泣き時や寝かせつけるための習慣的な授乳によって卒乳できない子どもたちがいます。特に夜間の授乳は、唾液の分泌が減少するためむし歯になりやすく、また不規則な授乳は、間食が多くなることで食生活の乱れを招きます。
 母乳そのものはむし歯の原因にはなりませんが、「お口のケア」が不十分だとむし歯になりやすくなります。むし歯の原因菌であるミュータンス菌は、保護者の方から感染するため保護者の方の「お口のケア」も大切です。食べ物を口移しで与えたり、歯ブラシを共有したりすることは避けましょう。奥歯が生え始めても母乳を与えている場合は、ていねいな歯みがきが必要ですが、一度小児歯科を受診して歯の清掃とフッ素塗布をしてもらうと良いでしょう。むし歯予防を心がけながら少しずつ生活のリズムを整えて、自然な卒乳ができると良いですね。 参考文献:『母乳とむし歯-現在の考え方 小児科と小児歯科の保健検討委員会』
5.指しゃぶりとおしゃぶりの影響は?
 3歳頃までの指しゃぶりは、乳幼児の生理的な行為として、無理にやめさせる必要はありません。子どもの生活リズムを整え、外遊びや手を使う遊びを増やして、関心を他のことに向けさせることで指しゃぶりはだんだん減っていきます。ただし、長期間にわたる指しゃぶりは、かみ合わせや発音に影響が出てくるため、やめた方がよい理由を本人にわかりやすく教えてあげてください。指しゃぶりをしなかった時はたくさんほめてあげて、ご家族皆さんで温かく見守ってあげましょう。寝しなの指しゃぶりがとれない場合は、絵本を読んであげたり、添い寝をしながら子どもの手を握ったりして安心させてあげましょう。
 指が口にはいることに抵抗を感じるお母様は、おしゃぶりを上手に活用するのも良いでしょう。おしゃぶりを無理に与える必要はありませんが、指しゃぶりよりもやめやすい傾向にあります。ただし、発語やことばを覚える1歳過ぎたらおしゃぶりのフォルダーをはずして常時吸えないようにします。2歳頃までに使用を中止すれば、かみ合わせの異常も改善されますので心配いりません。
 なお、頻繁な指しゃぶりが続く場合は、心理的な問題もあるため、専門医にご相談下さい。 参考文献:『指しゃぶりについての考え方、おしゃぶりについての考え方  小児科と小児歯科の保健検討委員会』 
6.乳歯は永久歯のナビゲーター?
 『乳歯はどうせ抜けてしまうから、むし歯になっても問題ない』と思っていませんか?乳歯20本はすべて生えかわりますが、その間に乳歯がはたす役割はとても大切です。乳歯には、①噛む(よく噛むことでからだやあごの発育を促します)②話す(正しい発音を助ける)③永久歯を正しく導く(乳歯のすぐ下には永久歯が育っています)など重要な働きをしています。
 したがって、乳歯がむし歯や外傷などで早い時期に抜けてしまうと歯並びやかみ合わせ、そして発音などに影響を与えます。お口の中のトラブルがなくても、日頃からかかりつけの歯科医院を決めて定期的な歯科検診を受けることが大切です。乳歯は永久歯に比べて、むし歯の進行がはやいため、歯みがきや規則正しい食生活を心がけ、そして歯科医院で行うフッ素塗布やシーラントなどのむし歯予防を上手に取り入れていきましょう。健康な乳歯でよく噛んでおいしく食べることが、からだ全体の健康にもつながります。
参考文献:『子どものための歯と口の健康づくり』より  
7.フッ素でむし歯予防しよう!
 フッ素には、①歯質を強くする、②歯の再石灰化を促進する、③むし歯の原因になる酸の産生を抑制することで、むし歯予防に効果があることがわかっています。とくに生えて間もない歯はたくさんのフッ素を取り込みやすいため、歯科医院でのフッ素塗布は前歯が生えそろう(1歳)ごろから行い、その後も3~4ヶ月に一度健診ごとに塗布してもらうと効果的です。
 また、ご家庭での歯みがきは、フッ素配合の歯磨き剤をごく少量つけてみがき、歯みがき後のうがいはかるくゆすぐ程度にします。フッ素の成分が口の中に残っているほどむし歯予防に効果があるからです。うがいができない子どもには、ゆすがなくても大丈夫なスプレータイプもあり仕上げみがきの時に使うとよいでしょう。
 なお、フッ素のからだへの影響を心配する保護者の方もおられますが、お薬と同様にフッ素も摂取しすぎると有害になります。ただし、歯科医の指導のもとで行えば、健康への影響は心配いりません。フッ素を上手に取り入れて、むし歯予防に役立ててほしいと思います。
8.歯並びは大丈夫?
 乳歯列期の歯並びは、乳歯の歯と歯の間に隙間があるのが理想の歯並びです。隙間がない場合は、永久歯の交換時にガタガタの歯並びになる可能性が高く注意が必要です。 
 5~6歳頃になると乳歯は下の前歯から生えかわります。とくに下の前歯は乳歯が残っているうちに永久歯がうしろから生えてくることもあり、心配される保護者の方もいらっしゃいますが、乳歯を抜去すれば永久歯はエスカレーターを登るように前方に出てきます。また、上の前歯は永久歯が「ハ」の字に生えてくることもありますが、永久犬歯が生えてくると真ん中の隙間が閉じるように前歯がおきてきますのでしばらく様子みます。ただし、真ん中に余分な歯が埋まっている場合もありますので、隙間が大きい場合はみてもらうと良いでしょう。なお、歯並びのためにあごを広げる治療は、この時期が最も適しているため小児歯科医に一度相談されることをおすすめします。 参考文献:『乳歯列期から始めよう咬合誘導』『交換期を上手に利用した咬合誘導』町田幸雄より 
9.かみ合わせは大丈夫?
 乳歯列期のかみ合わせは、奥歯がしっかりかみ合う3歳頃までは不安定な時期であり、その後自然に改善してくることも多いため定期的に経過観察を行います。ただし、奥歯のかみ合わせが左右にずれている場合や前歯が逆に咬んでいる受け口などは、下あごが偏ったり上あごの成長を抑えたりすることもあり、早期にかみ合わせの治療が必要になることもあります。かみ合わせの治療開始時期は、治療に協力的になれる4歳頃が目安になります。
 また、乳歯列期不正咬合の原因の約40%は、指しゃぶりなどのお口に関するさまざまな癖であることがわかっています。習癖をやめさせれば正常なかみ合わせに治ることが多いため、3歳過ぎたらやめるように指導していきます。
 ご心配な方は、早めに小児歯科医に相談されると良いでしょう。 参考文献:『乳歯列期から始めよう咬合誘導』『交換期を上手に利用した咬合誘導』町田幸雄より
10.むし歯予防に必要なことは?
 むし歯予防のポイントは、①歯みがき②規則正しい食生活③定期検診④フッ素の4つです。
 子どもがひとりで上手に歯みがきできるようになるまでは、保護者の方の仕上げみがきが必要です。
だらだら食いは歯が溶けやすい環境を作るため、時間、回数を決め、とくに糖分が多いお菓子やジュースなどは注意が必要です。乳幼児期に身についた食習慣はなかなか変えることができないため、規則正しい食生活のリズムを早い時期から整えていってほしいと思います。
 むし歯がなくても、定期的に歯科医院での検診をおすすめします。歯科医院では、歯ブラシでは取れない歯石除去や子どもの成長に応じたむし歯予防の指導、シーラント、フッ素塗布などを行うことができます。
フッ素は歯質を強くしたり、むし歯になりかけた歯の再石灰化を促したりする働きがあります。ご家庭ではフッ素配合の歯みがき剤(ジェル、スプレータイプなど)を使用しながら、歯科医院では歯みがき剤よりも濃度の高いフッ素を検診時(4ヶ月に一度)に塗布してもらうと効果的です。
11.歯をケガしたときは?
 歯やお口のまわりをケガした場合は、すぐに歯科を受診しましょう。乳歯の外傷は、歯がグラグラしたり、もぐってしまったりすることが多く、歯やまわりの組織を安静にするためにワイヤーや接着材などで固定することがあります。また、歯がかけてしまったり、歯が抜けてしまった場合は、あわてずに周囲に歯のかけらがないか、抜けた歯がないかよく探してください。かけていても接着して元の状態に修復できる場合があります。歯が抜けた場合は、歯は乾燥に弱いため、できれば牛乳などに保存して、速やかに歯科を受診します。乳歯でも条件が良ければ歯を元の位置に戻す(再植)ことができるかもしれません。
 歯の歯髄(神経)がダメージを受けている場合は、1ヶ月ぐらいすると灰褐色に変色してくることがあり、その場合は、歯の根っこの治療が必要になることがあります。
 乳歯の外傷では、後継永久歯に白斑ができるなどの様々な影響を与えるため、永久歯に生えかわるまで長期的な経過観察が必要不可欠になります。 参考資料 「小児の歯の外傷に関する臨床的検討」 宮田太郎  第6回江東区医師会医学会
12.歯ぎしりは心配ないですか?
 歯ぎしりには3つのタイプがあります。ギリギリと音をたてて歯をこすりつけるタイプがよく知られていますが、カチカチと音を出して上下の歯をあてるタイプ、そして上下の歯を強くかみしめる(食いしばり)音がしないタイプと様々です。
 歯ぎしりの原因やメカニズムは、いまだわからないところが多く、根本的な治療方法がないのが現状です。
子どもの歯ぎしりは、睡眠時の生理的な現象として考えられていますが、とくに歯やあごが痛いなどの症状がない限りは様子みて心配ありません。また、一過性のことが多く、成長とともに自然に改善するケースがほとんどです。ただし、頻繁に痛みを訴える場合には、対処療法として、かみ合わせの調整や歯ぎしり防止装置(マウスピース)を装着すると症状が軽減します。
 また、柑橘系の果物やお酢などの酸っぱい食べ物をよく食べる習慣がある場合には、歯ぎしりすることで乳歯のすり減りが著明にみられることがあるため注意が必要です。
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